令和8年度 静岡市民生委員・児童委員大会 全体研修会講師レポート

2026年6月11日、静岡県静岡市にあるグランシップの中ホールにて、「令和8年度 静岡市民生委員・児童委員大会」が開催されました。そのプログラムの一部である「全体研修会」の講師を当社でお引き受けさせていただき、先日無事?その大役を果たして参りました。今回は本件について綴ろうと思います。

「居住支援」について教えてほしい

依頼内容は、至ってシンプルでした。

そもそも民生委員・児童委員の方々の役割は、「地域住民の身近な相談相手となり、必要な支援へつなぐこと」です。ただここ数年で、「困りごと」が多様化していることや、既存制度にハマらない人の「繋ぎ先」をどうするのかといった課題意識が強まっているようでした。

他方、一気に広がりを見せているのが、私たちが担っている「居住支援」という領域でした。私たちはまさに、「多様化した困りごとに対応」したり、「既存制度にハマらない人」を支援しています。

だから、つみきの家から「居住支援」を学びたいと。依頼は至ってシンプルだったのです。

民生委員・児童委員の皆様に知っていただきたかった「居住支援」

今回の構成は

・居住支援とは?
・つみきの家とは何か?
・具体的な事例の紹介
・今後必要とされること

これら4つについて話をさせていただきました。どんな話をしたかは割愛しますが(ご依頼お待ちしております。笑)、「具体的な事例をたくさん紹介してほしい」という依頼もあったため、11例紹介しました。高齢者や障がい者、低額所得者、生活困窮者、子育て世帯、DV被害者、更生施設出所者などバリエーション豊富な属性を意識し、世代も0歳児から高齢者まで、数ある事例の中から濃いものをピックアップしています。

研修会の結果が以下の通りです。まず本当に嬉しく、素晴らしいことだと感じたことは、受講者が約1,200名もいる中で、726名もアンケートに回答してくださったことです。これだけの規模で、回答率が60%を超えていることは、本当に素晴らしいことです。真摯に向き合っていただいたことに感謝の気持ちでいっぱいになりました。

さて、アンケート結果を見てみると、「受講前の段階における理解度の集計」によれば、やはり受講者の「居住支援」に関する理解度は低かったです。ただそれが、たった90分の研修会を通じて総じて高まったのです。「受講前後における理解度の平均比較」を見ても、その変化は明らかです。受講前平均点が3.92点/10点満点だったところから、受講後平均点は7.21点/10点満点になったのです。これは、研修会の講師を任された立場としては、「本当に良かった。お役に立てた」という気持ちです。安心しました。

向き合っている人間だからこそ伝えることができるリアル

実は今回、当初は代表者である私が一人で登壇する予定でしたが、依頼者にも確認して承諾が得られたため、福島県のエリアマネージャーをしている遊佐奈央子と、大分県でエリアマネージャーをしている伊藤さくらを、なんと1,200名も聴衆がいるステージに登壇させるという思い切った決断をしました。

理由は2つ。

1つ目は、事例の発表においては、やはり「その支援対象者と向き合っている人間が伝える方が聴き手の心に響く」と思っているからです。聴き手が静岡市の民生委員・児童委員のみなさんであることから、事例については「静岡の事例のみでの紹介」にすることも考えましたが、「他の地域がどうなっているか」ということについても触れていただきたかった想いから、全拠点から事例をピックアップしました。そうすると当然、大分や福島、郡山の事例の紹介もすることになるわけですが、大分や創業地の福島はまだしも、郡山になってくると、もはや私は支援対象者の方の顔と名前が一致しません。そんな人間から、「事例」を聞かされても、「想い」が乗っていない話になるため、「あまり響かない」のです。

もう1つの理由は、「人材の育成」や「成長を期す想い」です。つみきの家の仕事は、Aiやロボットが急激に発達する未来が待ち受けていたとしても、私たち人間でなければなかなか担うことができない仕事です。私だけではダメなのです。仲間が必要です。でもその仲間が増えたとしたら、その仲間を育てる仲間も必要になります。だからこそ、そうした役割を担うことができる「人材を育成」する必要があるのです。

「育成」の目的や手法はさまざまありますが、「大勢の前に立ち、わかるように相手に伝える」機会は、願ったとしても、そう得られる機会ではありません。まともな練習時間を確保することすら難しい多忙さの中にいる二人でしたので、最後の最後までやらせてみるかどうか悩みましたが、「やらせてみて、できるかどうか」を見たかったのと、「頑張れば超えられる壁である」ことはわかっていたので、思い切って抜擢したのでした。

結果は、大成功でした。二人から聴く事例の話に、大きく何度も頷く方がいたかと思えば、涙を流す方、「わかる」と言わんばかりに笑顔で聴いていらっしゃる方など、皆夢中になって話に耳を傾けてくださっていたように思います。それぞれが発表者として立ち、大勢の方々に「自分たちの積み重ねてきた物事」について堂々と話をしている姿を見て、少し目頭が熱くなる自分がいました。泣けませんでしたけど。笑

詳細はいずれ二人からブログがあがってくるかもしれませんのでこの辺りとします。

私が人を育てる際に大切にしている考えの一つに、「機会の提供」があります。「私じゃないと担うことができない仕事」は確かに存在しますが、全部それではいけません。人が自分ごととして挑戦する「機会の提供」をすることで、提供された人間は経験を得て、壁を超えていく瞬間を迎えます。ただ注意が必要なことは、「絶対にできない機会の提供」をしないことです。失敗をして、自信を失わせてしまい、何もポジティブなものは残らないからです。

今回は、遊佐と伊藤を信じてこのような機会を与えました。他の仲間にも同じです。頑張れば超えられそうな「機会」を提供すること。それがとても大切なことです。「自分がやってしまった方が早いから」などといってずっと「機会」を与えずにいると、仲間はいつまでたっても成長せず、自分の業務量が増えていくだけです。思い切って、信頼して任せてみる。「そう簡単にできませんよ」と仲間に笑いながら言われもしますが、人を育てる際にはとても大切な上に立つ人間としての「覚悟」と「責任」が現れるような気もします。

今回のプロジェクトは、各地で現場を守ってくれた仲間の存在があって成立したものでした。共に登壇した遊佐と伊藤はもちろんのこと、各地の仲間にも感謝の念を抱きながら、皆でワイワイ1時間くらいかけてお土産を選びながらおいしいものを食べにいきましたとさ。

おしまい。

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