つみきの家 大分・城南
相談支援員
太田 鹿奈世
『ここは、どんな所なんだ!?』
正直に言うと働き始めて、いきなり鈍器で頭を殴られたような衝撃を受けました。
相談支援員と募集要項に書いてあったので、私は介護現場で生活相談員の仕事をしていた経験もあり、同じような仕事内容だろうと思っていました。
でも採用され現場に出ると、今まで生きてきた私の人生の経験値からは、手に負えないような事案ばかり。
そして次々に起こる問題の数々。
絶対に続かないな・・・。
最初の1ヶ月は、辞める理由ばかり考えながら仕事をしていました。
そんな時、社内ミーティングで『制度の枠組みからこぼれ落ちてしまう人たちに寄り添った併走支援』という言葉が私の中で腑に落ちたのです。
相談支援を行っていると、これまで歩んできた人生の中で、何らかの生きづらさを感じている方が多くいらっしゃるという事を感じます。
生きづらさを抱えながら過ごしてきた人の中には、傷つかないために『間違った生き抜く力』を身につけてしまった人もいます。
「助けて」と言えないこと。
逆に、依存しすぎてしまうこと。
人を信じすぎないこと。
逆に信じすぎてしまうこと。
それは弱さではなく、これまで必死に生きてきた証なのだと思います。
何らかの支援が必要なのに現実には、制度の枠組みからこぼれ落ちてしまい、必要な支援が受けられない。
そもそも、制度を利用出来る事さえ知らない。
本当は困っている。
助けを必要としている。
それなのに、『対象外』や『知識不足』という言葉の中で孤立してしまう人がいるのです。
私はこれまで、関わる人によって表情や安心感が変わる姿を見てきました。
私自身もこれまでいろんな人に助けられ生きてきました。
うまくいかない時に声をかけてくれた家族。
立ち上がれない時に、そっと隣にいてくれた友人。
自分のことのように、一緒に悩み考えてくれる姿に救われたこともありました。
『人は、一人では生きていけない』私自身があらゆる場面で感じたことです。
だからこそ今度は、私も誰かにとって『安心できる居場所のような存在』になりたいと思っています。
そして、そのつながりを受け取った人が、また誰かにとっての居場所になっていってほしい。
安心できる関係が、次の誰かへと繋がっていく。
そんな温かい循環が、この世の中に少しずつ広がっていけばいいなと思っています。
だからこそ私は、今の仕事の中で『居場所づくり』を大切にしたいと思っています。
それは、特別な空間を作ることではありません。
否定されないこと。
安心して話せること。
困った時に「大丈夫。一緒に考えよう」と言ってもらえること。
そんな小さな関わりの積み重ねが、人にとっての居場所になっていくのではないかと感じています。
居住支援は、『住む家がある』で終わる支援ではないと感じています。
『住む家がある』のその先を支えていく支援だと思っています。
安心して相談できること。
「おはよう」と言える人がいること。
困った時に、頼れる人が居て、一緒に考えてくれること。
そうした人とのつながりが、生きていく力につながっていくのだと思います。
うまく歩けない日があってもいい。
立ち止まる日があってもいい。
それでも『ここには安心して戻ってこられる』と感じられる場所があるだけで、人は少しずつ前を向けることがあると感じています。
人との関わりは、目には見えません。
人との関わりは、人を傷つけることも、人を支えることもできます。
制度だけでは支えきれない人がいるからこそ、私は『人と人との関わり』を大切にしたい。
これからも、制度の隙間に取り残されそうな人にとって、小さな灯りのような居場所をつくっていきたいと思っています。
「ハハハ」と笑い声が館内に響く家を作ること。を胸に・・・。


